Written by Hiroko Saito

【確定申告書解説④:小規模企業共済等掛金控除】iDeCoに加入している方へ…

確定申告

こんにちは、公認会計士/税理士の齊藤寛子です。

そろそろ確定申告が気になる個人事業主の方向けに、お役立ち情報をお届けしています。

先日から「確定申告書」の入力項目の内、「所得控除」について複数回に渡り、詳細解説をお届けしています。

所得税は「売上」から「経費」を引いた「所得」からさらに、一定の要件を満たす「所得控除」の項目を控除した上で、「課税所得」を算出し、そこに所得金額に応じた税率をかけて計算されます。

今日はそんな「所得控除」の中から、4番目の「小規模企業共済等掛金控除」について詳細解説します。

1.小規模企業共済等掛金控除とは?

2021年中に支払った以下の小規模共済等の掛金について、2021年度の所得から控除することができます。

小規模共済掛金控除に該当するのは以下の支払いです。

  • 小規模企業共済法の規定による共済契約(旧第2種共済契約を除く)の掛金
  • 確定拠出年金法の企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金
  • 心身障害者扶養共済制度に係る契約で一定のものの掛金

2.小規模企業共済制度とは?

小規模企業共済制度は、国の機関である中小機構が運営する制度で、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。

掛金は全額所得控除できるので、将来に備えつつ、節税効果もあるのが特徴です。

なお、月々1,000円~70,000円までかけることができるので、年間最大84万円を所得から控除できます。

例えば、所得税率が10%の方なら、84万円✖10%=8.4万円だけ、税金がお得になります!!

▶【中小機構HP】小規模企業共済 制度の概要

3.確定拠出年金制度とは?

公的年金に加えて給付を受けられる私的年金のひとつです。

国民年金基金のように、国民年金の上乗せとなる私的年金で、「日本版401k・DC」とも呼ばれています。

こちらも月額68,000円までは掛金が全額所得控除できますので、将来に備えつつ、節税効果もあるのが特徴です。

年間最大掛金額は816,000円ですから、所得税率が10%の方なら、約8.2万円税金がお得になります!!

※iDeCoについて詳しく知りたい方は、こちらの動画をぜひご覧ください。

4.所得控除に必要な書類

小規模企業共済等掛金控除の所得控除を受けるには「支払った掛金額の証明書」を貼付、又は提示する必要があります。

10月以降で年間の支払予定額として通知が届いているかと思いますので、忘れずに申告書に貼付しましょう。

※1:給与所得者が既に年末調整で控除を受けている場合は不要です。

※2:電子申告の方は入力後、紛失しないようにお手元でしっかり保管しておきましょう。

5.申告書の記載方法

国税庁の確定申告書作成コーナーで申告する場合の、「小規模企業共済等掛金控除」の入力方法について見ていきます。

(1)所得控除の「小規模企業共済等掛金控除」欄の「入力する」ボタンをクリックします。

(2)各掛金の金額を入力し、右下の「次へ進む」ボタンをクリックします。

(3)「小規模企業共済等掛金控除」欄に正しく数字が反映されていることを確認して完了です!!

▶【国税庁】確定申告書等作成コーナー

「小規模企業共済等掛金控除」ついて、こちらの動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

最後までお読み下さいましてありがとうございます。

以上、「確定申告書解説シリーズ」第4弾として、「小規模企業共済等掛金控除」について簡単に解説させて頂きました。

年に1回の煩わしい確定申告作業の一助になれば幸いです。

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