Written by Hiroko Saito

【青色申告決算書解説シリーズ⑤】水道光熱費とは?

確定申告

こんにちは、公認会計士/税理士の齊藤寛子です。

そろそろ確定申告が気になる個人事業主の方向けに、お役立ち情報をお届けしています。

先日から「確定申告書」とセットで提出する「青色申告決算書」について複数回に渡り、詳細解説をお届けしています。

今日は【青色申告決算書解説シリーズ】第5弾として、「損益計算書」内に計上される事業経費のうち、3番目の「水道光熱費」について詳細解説します。

 

1.水道光熱費とは?

水道光熱費とは、電気・水道・ガス等にかかる支払を言います。

水道光熱費に含まれるものには以下のようなものが挙げられます。

  • 電気料金、ガス料金、水道料金、灯油代(冷暖房)、電灯料金、冷暖房用重油代、プロパンガス料金、暖房費、冷房費等

皆さんの生活の中で身近に発生する支出なので、イメージしやすいと思います。

2.自宅兼事務所 or 店舗の水道光熱費の取り扱い

自宅兼事務所の方、また自宅兼店舗の方の場合、事業で使用した分とプライベートで使用した分を区別し、事業で使用した分のみを経費に計上することとなります。

区分する際には使用面積比や、使用時間割合等合理的な基準で按分します。
また、きちんと第三者に説明できるように、設けた基準の根拠や実際の使用記録等を資料として残しておくと安心です。

按分の基準についてはこちらの動画で解説しておりますので、ぜひご覧ください。

ちなみに、水道光熱費は毎月金額が変動していきますので、これを毎回自分で計算してから計上するのはなかなか面倒です。

特に、事業用の預金口座からの引き落としや事業用クレジットカードで支払っている場合、事業用部分だけ抜き出して計上すると、効率的に自動処理できなくなってしまいます。

このような場合、会計freeeでは、「確定申告」メニューに「家事按分」機能が設けられていますのでこれを使うと便利です。

例えば、水道光熱費の内、電気代は30%が事業用分というときには、このように家事按分の基準を設定しておくと、年度の決算処理で、今まで100%計上してきた電気代の内、70%を「事業主貸」勘定へ振り替える処理を行ってくれます。

具体的に仕訳を見てみましょう。
年間の電気代総額が10万円だったと仮定します。

  • <1月~12月累計>
    (借方)水道光熱費 10万円 (貸方)現金 10万円
  • <12月31日>
    (借方)事業主貸 7万円 (貸方)水道光熱費 7万円

これにより、結果として年間の電気代10万円の30%の3万円のみが経費に計上されている、という状態になります。

按分基準によっては、同じ水道光熱費に計上されるものでも、電気代が30%で、ガス代が25%と按分比率が異なることもあると思います。

その場合、帳簿付けの際に「品目名」(「電気代」「ガス代」等)を付与しておくことで、水道光熱費の内、電気代のみに30%の按分ルールが適用されるということになります。

今まで都度都度計算されていた方は、ぜひ便利な機能を使って、帳簿付けを効率化して頂けたらと思います。

3.経費に計上するタイミング

経費の計上は「発生基準」が原則ですので、水道光熱費も本来は請求書に記載された使用月で計上するのが原則です。

しかし、毎月継続して行うことを条件に、支払日や銀行口座からの振替日に経費とすることも認められています。

したがって、年度末において、水道光熱費についてはあまり計上時期に神経質になり過ぎなくても大丈夫です。

なお、金融機関の休日の関係で支払いのタイミングがずれたものを除き、ほぼ毎月同程度の金額で推移しているかを確認して、計上漏れや二重計上がないことを今のうちにチェックしておくと安心です♡

「水道光熱費」について、こちらの動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

 

最後までお読み下さいましてありがとうございます。

以上、「青色申告決算書解説シリーズ」第5弾として、「水道光熱費」について簡単に解説させて頂きました。

年に1回の煩わしい確定申告作業の一助になれば幸いです。

なお、「ご自身で帳簿付けや確定申告書を作成するのが大変」という方向けに、記帳代行&確定申告書作成代行のサービスをご提供しております。
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