【青色申告決算書解説シリーズ⑭】福利厚生費とは?
こんにちは、公認会計士/税理士の齊藤寛子です。
そろそろ確定申告が気になる個人事業主の方向けに、お役立ち情報をお届けしています。
先日から「確定申告書」とセットで提出する「青色申告決算書」について複数回に渡り、詳細解説をお届けしています。
今日は【青色申告決算書解説シリーズ】第14弾として、「損益計算書」内に計上される事業経費のうち、12番目の「福利厚生費」について詳細解説します。
1.福利厚生費とは?
福利厚生費とは、とは、役員又は個人事業者や従業員が安心して働きやすい職場を作るための支払いです。
具体的には、以下のものが該当します。
- 医療関係:定期健康診断、予防接種、常備薬
- 親睦活動関係:社員旅行、忘年会、創立記念日、サークル活動
- 慶弔関係:結婚お祝い、出産祝い、香典、見舞金
- 消耗品関係:お茶菓子、洗剤、消臭剤
- 厚生関係:残業食事代
福利厚生費の大部分は消費税が発生する課税取引となりますが、結婚祝い、出産祝い、香典、見舞金は消費税の対象外となります。
freee会計のデフォルトの勘定科目の設定では「課税仕入」となっていますので、計上の際は「対象外」への区分変更が必要となります。
また、健康診断・予防接種・生花・花環等は消費税の対象外と勘違いされがちですが、課税取引に該当しますので、こちらも間違いなく計上しましょう。
2.食事を従業員に支給した場合
(1)原則
「給料手当」で処理する必要があります。
しかし、次の条件をいずれも満たせば、「福利厚生費」として処理できます。
- 食事代の半額以上を従業員が負担すること。
- 残りの会社負担分の月額が税込3,850円(税抜3,500円)以下であること。
(2)残業した従業員に食事を支給した場合
「福利厚生費」として計上できます。
その従業員の通常の勤務時間外に勤務したことに対して支給することが条件で、もともと夜勤の従業員に夕食を支給した場合は「給料手当」となりますので、ご注意ください。
3.社員旅行を事業者が負担した場合
原則として、「福利厚生費」です。
ただし、参加を希望しない従業員に旅費相当額の金銭を渡すと、その金銭のみならず参加した社員の旅行代金も全額が「給料手当」とされてしまいますので、注意が必要です。
※「福利厚生費」について、こちらの動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。
以上、「青色申告決算書解説シリーズ」第14弾として、「福利厚生費」について簡単に解説させて頂きました。
年に1回の煩わしい確定申告作業の一助になれば幸いです。
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