【青色申告決算書解説シリーズ⑫】消耗品費とは?
こんにちは、公認会計士/税理士の齊藤寛子です。
そろそろ確定申告が気になる個人事業主の方向けに、お役立ち情報をお届けしています。
先日から「確定申告書」とセットで提出する「青色申告決算書」について複数回に渡り、詳細解説をお届けしています。
今日は【青色申告決算書解説シリーズ】第12弾として、「損益計算書」内に計上される事業経費のうち、10番目の「消耗品費」について詳細解説します。
1.消耗品費とは?
消耗品費とは、10万円未満のものや、使用可能な期間が1年未満の物品に対する支払を言います。
消耗品費に含まれるものには以下のようなものが挙げられます。
- 机、椅子、本棚、ロッカー、傘立て、ホワイトボード、テーブル、キャビネット、備品(10万円未満)、掲示板、ポット、電子レンジ、電球、清掃用品、掃除機、加湿器、時計、電池、キッチン用品、マット、インテリア小物、コーヒーメーカー、洗剤、トイレットペーパー、マスク、懐中電灯、タオル、スリッパ、作業用手袋、防災グッズ、カーテン、自転車、台車、電話器、PC(10万円未満)、プリンター、モニター、トナー、LANケーブル、PC周辺機器、カメラ、スキャナ、CD、USBメモリ、ソフトウェア(10万円未満)等
2.10万円の判断基準
修繕費は、10万円未満のもの、と最初の定義で書かせて頂きましたが、1個又は1セット当たり10万円未満かどうか?で判断します。
例えば、応接セットはテーブルとソファーをセットで購入して使用しますので、テーブルとソファーセットで1単位として10万円未満かどうか?、で判断します。
逆に、事務机と椅子は一度に何個購入しても、それぞれ1個ごとに10万円を超えるかどうか?で判断します。
10万円以上のものは、原則、「固定資産」として、法定耐用年数の期間に渡って減価償却していくことになります。
では、以下の4つのケースではどれが修繕費になるか分かりますか?
- 応接セット300,000円を購入。
- 事務机50,000円、事務用椅子15,000円を購入。
- ノートPC2台180,000円を購入。
- PC 90,000円とプリンター20,000円を購入。
正解は2.&3.&4.の3つです。
3.のノートPCはそれぞれが独立していますから、1台当たりの単価90,000円を計算し、10万円未満と分かります。
4.のノートPCとプリンタも一緒に買ったとしても、どちらか壊れたら片方だけを買い替えることが出来ますので、それぞれの単価で判断すると、10万円未満となります。
セットかどうか判断に迷った場合は、「壊れた時に一緒に処分するか?」で考えてみると良いと思います。
3.ポイントカードでの支払い
今や至る所でポイント制度があり、消耗品等の購入の際、ポイントカードを使って支払いの一部にポイントを充当することがあると思います。
この場合、ポイントで充当した部分は値引と考え、定価からポイント充当分を控除した、実際に支払った金額を経費として処理します。
たとえば、定価20,000円のプリンターを家電量販店で購入した際、ポイントカード1,000円分を使ったならば、実際に負担した19,000円を消耗品費として経費計上することになります。
4.業種特有のもの
通常は「消耗品費」として計上するものでも、業種によっては頻繁に発生し、金額が多額になるような場合には別に勘定科目を設けて計上することが望ましいケースもあります。
例えば、飲食業の洗剤やクリーニング代は「衛生費」、ホステスさんの化粧品・アクセサリー(事業専用)等は「美容代」等が挙げられます。
個人事業主のスーツや衣装等については、事業専用のものであれば経費として認められる可能性があります。
確定申告前に「消耗品費」に計上してきた中身を見直して、10万円超のものがあれば、間違いがないか確認しておくと安心です。
※「消耗品費」について、こちらの動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。
最後までお読み下さいましてありがとうございます。
以上、「青色申告決算書解説シリーズ」第12弾として、「消耗品費」について簡単に解説させて頂きました。
年に1回の煩わしい確定申告作業の一助になれば幸いです。
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